高知県知事へ政策提言を実施&今後の活動について

10/15(水)に高知県の濵田知事に政策提言を行いました。一般社団法人スペースポート高知設立当初から始めた勉強会やワーキンググループ、合宿を経てまとめ上げたものです。
全68ページの政策提言書を一般の方向けに2ページのスライドにまとめたものはこちらから見ていただけます。
以下は主な提言内容です。
宇宙産業振興による地域活性化 ― 高知県における「スペースポート」構想
近年、世界ではロケット打上げ需要が飛躍的に伸びていますが、日本では商業衛星打上げの多くが海外ロケットによって実施されており、国内での打上げ能力強化が急務となっています。
この状況を背景に、高知県が地域活性化・若者定着・産業振興を柱とする戦略の中で、宇宙産業を核とした「スペースポート」構想を位置付けるべきだという政策提言をいたしました。
提言のポイント
- 専任部署設置と、宇宙ビジネス経験を有する人材の公募登用による官民連携体制の構築。
- 宇宙産業振興を県の産業振興計画に正式に組み込み、成長戦略として明文化。
- 若者定着・企業誘致・起業促進・所得向上といった地域課題に対し、スペースポートを核とするチャレンジが包括的ソリューションとなる。
構想の概要
- 対象とする射場は 陸上射場と洋上射場 の2系統。陸上はアクセス性・コスト面で有利、しかし土地・保安距離の制約がある。洋上は用地制約をクリアしやすく、将来的な高頻度打上げ体制に適している。
- 2035年までに年間20機の安定運用を目指し、10年間累計では高知県内で「経済波及効果1,135億円」「就業者誘発数11,910人」「税収効果39億円」が見込まれています。
- 地元大学・高専との連携による打上げ・実証実験拠点の整備。学生・若手研究者の教育場としての機能も併せ持つ点が特徴です。
なぜ“今”この構想が鍵となるのか
- 世界市場では通信コンステレーション衛星ネットワークの拡大を背景に、ロケット打上げ需要が急増しています。日本がこの波に乗るには、国内打上げ能力の強化が必須です。
- 地方自治体において「魅力ある仕事をつくり、若者の定着につなげる」施策が重要視されており、宇宙産業という先端産業を地域に呼び込むことはこの流れと高い親和性を持ちます。
今後の動き
高知県が「宇宙産業&スペースポート」を成長戦略の中核に据えることは、若者定着、地域産業振興、先端技術人材育成という三大課題を同時にクリアし得るポテンシャルを秘めています。
世界的な打上げ需要の高まりを背景に、日本国内での打上げ体制を整備することは、国内産業の競争力向上にも直結します。とはいえ、実装には「制度整備」「地域理解」「インフラ基盤」が必要不可欠であり、政府・自治体・民間の協働がスムーズに機能することが鍵です。
知事からは前向きなご発言をいただいており、当団体としては今後も実現に向けたコミュニケーションを継続する予定です。
また県民の皆様にもスペースポートの構想を共有する機会を予定しております!2025年11月5日から12月8日まで高知蔦屋書店にて、模型・CGパースの展示を行います。宇宙関連書籍やグッズも販売しますので、ぜひお越しください!

